外国人って、なんかやたらに名前が長い人がいますよね。
どれが苗字でどれが名前?
っていうような・・・
メキシコもそんな長い名前を持つ人が多い国のひとつです。
そこで今回は、「なんでそんなに長い名前なの?」ということについて、
日本とメキシコを比較して特徴や背景を書いていきたいと思います。
名前の付け方 日本 vs メキシコ
日本の場合
ご存知の内容ですが、比較のためにおさらいしておきます。
日本の名前は1つの姓+1つの名から成り立っています。
氏は30万種類あると言われ、世界的にも姓の多い国となります。
また民法により夫婦同氏制が定められているため、婚姻等の際には氏を変える必要があります。
メキシコの場合
それでは、メキシコの場合を見てみましょう。
メキシコでは、1つ(または2つ)の名+2つの姓から成り立つのが一般的です。
分かりやすく例を出してみます。
Jesús Francisco López García (ヘスス フランシスコ ロペス ガルシア)さん
はい、仮名を作ってみました!
さて、どれが姓でどれが名前でしょうか?
ひとつづつ見ていきたいと思います。
① 1つ目の名前(Primer Nombre)
Jesús(ヘスス)が名前です。
後述するように、メキシコ人は1つまたは2つの名前を持っています。
こちらは一応メインとなる1つ目の名前です。
ちなみにこのJesús(ヘスス)さん、メキシコ男性のなかで6番目に多い名前です。
神の子を名前にするなんて・・・さすがカトリック教徒。
② 2つ目の名前(Segundo Nombre)
Fransisco(フランシスコ)が2つ目の名前です。
なぜ2つ名前があるのか??
カトリックが9割のメキシコでは、聖人や天使の名を付けることが多いです。
また、両親と同じ名前を受け継ぐことも一般的。
そのため、1つ目の名・姓のみだと同姓同名であふれてしまいます。
それを避けるためとされていますが、現在では習慣として2つ目の名前を持つ人が多いです。
なお、1つだけしか名前がない人もいます。
これは名付ける両親の好みで決まります。
割合としては・・・筆者感覚では3~4割くらいでしょうか・・・?
2つの名前のどちらを使うのか??
これは本人の自由です。
一般的には1つ目の名前を使うことが多いですが、人によっては2つ目の名前をメインに使っていたり、家族と職場では呼び名を変えていたり・・・
個人的には、好きな方を選べるので選択肢があって良いな、と思います。
ここで、ちょっとややこしいメキシコあるあるをひとつ・・・
企業に入ると日本同様に自身の名前を使ったメールアドレスが与えられることが多いです。
さて、この仮名の
Jesús Francisco López García (ヘスス フランシスコ ロペス ガルシア)さん
の場合だと・・・
メールアドレスは jesus-lopez@......
となりますが、本人はFransico(フランシスコ)と呼んでほしい。
そうなると、「あれ、メールはヘススなのにフランシスコって呼ばれてる・・・・」
と混乱する場によく出くわします。
とってもややこしいですが、これはもう覚えるしかないんです・・・
③ 1つ目の姓(Primer apellido)
López(ロペス)が1つ目の姓。
メキシコ人は両親の姓をどちらも受け継ぐので、必ず2つの姓が存在します。
1つ目は父親の姓。
因みに父親も当然2つの姓を持っているわけですが、子供には1つ目の姓のみ受け継がれます。
例えば・・・お父さんの姓がLópez Martínezの場合、子供の1つ目の姓はLópezとなり、2つ目の姓は受け継がれません。
同じ家族でも姓が違うので、日本人にとっては少し不思議な感じです。
④ 2つ目の姓(Segundo apellido)
García ( ガルシア)、この2つ目の姓が、母親の姓となります。
メキシコによくある名前BEST10
それでは、メキシコで多い名前をご紹介します。
こうしてみると、やはり聖人を由来としたお名前が多いですね。
また、男性と女性の名前の区別としては、
男性は語尾がアルファベットのO
女性は語尾がアルファベットのA
で終わる場合が多いです。
メキシコ人と結婚したらどうなる?
さて、日本人には関係なさそうなメキシコ人の名前の付け方ですが・・・
仮にメキシコ人と結婚したら、ちょっと関りが出てきます。
国際結婚は名前が変わらない?
前述した通り、日本人同士で婚姻した場合は、どちらかが一方の姓に変える必要があります。
一方のメキシコ。
結婚しても互いの姓を変える必要はありません。
メキシコは、本人が希望して改名しない限り、一生同じ姓を持つことができます。
(他のほとんどの国でもそうですが)
そんな日本人とメキシコ人の2人が結婚したらどうなるのか?
日本人もメキシコ人も、名前は変わりません。
尚、日本人が女性の場合、希望すれば相手の姓に変えることもできます。
国際結婚カップルに子供が産まれたら?
では、メキシコ人の夫/妻をもつ日本人に子供が産まれたらどうなるのか?
それぞれの国へは別々に出生届けを出すため、日本名/メキシコ名に違いが出ることもあります。
日本名
子供は日本人の親と同じ姓となり、名前は1つしか登録できません。
仮にメキシコ名が2つありどちらも登録したい場合、2つを繋げて1つの名前としての登録であれば可能です。
例えば・・・Hanako Maríaであれば、「花子マリア」と1つの名前にして登録
また、アルファベットでの登録もできないため、ひらがな・カタカナ・漢字いずれかでの登録になります。
メキシコ名
上述したメキシコの名づけに準じて登録ができますので、名前を2つ持つことが可能です。
また、両親の姓がどちらもつきますので、
例えば父親の1つ目の姓がLopez、母親が田中の場合、
子供の姓はLopez Tanakaになります。
当然、漢字やひらがなでの登録はできませんので、アルファベットのみです。
まとめ
以上、メキシコの名前の仕組みについてご説明しました。
知ってしまえば合理的で利便性もある名前の付け方。
逆に、日本の名づけ制度がいかに世界的に特殊で遅れているか
という事実に気付かされます。
特に、夫婦同氏制。
長年親しんだ自分の姓を変えることに、個人的には何のメリットも見出せません。
早々に夫婦別姓を選択できるようになった方が良いと考えます。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。