今回も引き続き、Netflixオリジナルのリアリティー番組「MADE IN MEXICO」を教材としてスペイン語を学んでいこうと思います。
エピソード1で出てくる会話で気になった表現をまとめてみました。
メキシコ独特の表現
メキシコ人セレブが登場するこの番組。
メキシコ独特のフレーズが沢山出てきますのでご紹介していきます。
El ser un mexicano es, puta qué chingón.
まずは日本語訳を見てみます。
「メキシコ人は最高だよ。」
chingónとは、メキシコで頻繁に使われるスラングで「超」「すごい」といった意味。
ここでは「最高」と訳しています。
putaは「売春婦」。
色々な場面・意味で使われますが、ここでは特に対象はなく、感嘆的な役割で発音しているように聞こえます。
日本語であまり言いませんので、訳では省かれていますが、スペイン語をよ~く聞くと、確かに言っています。
次に、英語訳を確認してみました。
”Being Mexican is puta qué chingón.”
・・・えっ?全部英語になっていない?
想像ではfu**ingとかcoolとかいう単語が使われるかと思っていたのですが、まさかのそのままスペイン語でした。
Tengo muchas broncas en mi vida.
broncaは「論争」。ここでは「問題」の意味。
スペイン国立アカデミーのデジタル版で検索してみました。
f. Guat. y Méx. dificultad
訳:女性名詞 グアテマラとメキシコ dificultad「困難」
そして日・英訳は以下の通り。
「俺の人生はいつも問題が起こる。」
”I have many issues in my life.”
Te dejo para chambear.
chambearは「働く」。
同義語はtrabajar。
メキシコの他、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラスでも使われている単語とのこと。(スペイン国立アカデミー辞典より)
メキシコでは友人や親しい同僚間で良く聞くフレーズです。
翻訳を見てみます。
「そうだね。」
”I will let you work.”
日本語訳は厳密に訳されていませんでした。
直訳すると「君を働かせるよ。」・・・・なんて風には言わないし、
もっと自然な表現を考えると、「もう行かないとね」とかでしょうが、1~2秒で読めるよう文字化することを考えて、最短の翻訳としたと考えます。
こうして見てみると、字幕翻訳って難しくて奥が深そうです・・・
Neta? Guácala.
netaは「真実」。
メキシコでは、「本当?」と言いたい時によく使います。
guácalaもメキシコの口語で気持ち悪い感情を表現する時に使い、日本語訳すると「うぇー」という感じです。
番組内での日・英翻訳は以下の通り。
「本当?」
”Really?”
Neta?の部分のみ訳されていました。
やはり省略が多いですね。
Híjole.
こちらは驚きを表す時に用いられる表現です。
hijo(息子)に人称代名詞のleが付いて出来た単語。
日・英訳はどうなっているのか・・・
「すてき」
”Híjole."
英語翻訳はそのままスペイン語を採用。
これで意味が通じているのか疑問です・・・。
Este...
会話中に話す内容を考えている時に、間をもたすために言うことば。
こちらもメキシコ特有の表現と言え、頻繁に使われます。
スペイン語が分からない人も、メキシコ人がやたらこの単語を発するので耳に残るようで、「エステー、エステーって言ってるけど、どういう意味?」と聞かれたりします。
日・英訳は以下の通り。
「そうね・・・」
”Well…”
Está cañonsísimo.
cañonは「渓谷」という意味ですが、estar cañonで「素晴らしい」「すごく良い」という意味に変わります。
形容詞+ ísimoで最上級を表しますが、ここで使用されているcañonは名詞なので、文法的には誤りなのでは・・・?
日・英訳は以下の通り。
「すてきね」
”Yes, it's cool."
エピソード1だけでも3~4回はEstá cañon.が出てきたので、日常会話でよく使われるフレーズとして覚えておくと便利。
おわりに ~学習の振り返り~
気軽に視聴していた番組ですが、いざディクテーション(文章に書き出し)してみると、聞き逃している単語が多くありました。
また、日本語・英語の翻訳が本来の会話の内容と若干異なっていたり、省かれているケースに気が付きます。
プロの翻訳家の方々のセンスが問われる部分であり、たった一文を翻訳する上での苦労がうかがえます。
学習の量はこなせませんが、集中してリスニング&ディクテーションすると学習内容がしっかり身に付くと感じました。
今後もゆるーく続けていこうと思います。